医師は、肉体的、精神的な病気をもつ人の治療をしたり、健康診断などを行って病気の予防をしたりする。極めて責任の重い仕事だが、同時にやりがいも大きい。現在は看護師、検査やリハビリなど、さまざまな医療スタッフと連携して行うチーム医療が主流となっているが、医師はその中心となり、それぞれの意見を聞きながら患者にとって最良の治療を探り、実践していく。慢性的な医師不足で勤務は過酷な場合が多く、病院勤務では夜勤があり、手術が重なると、トイレや食事の時間もとれず、極度の緊張状態が続くこともある。また、患者が医師に求めるものも変化しており、医学的知識や技術だけでなく、人間性や行動力も重視される傾向にある。
超難関といえる大学医学部に合格し、6年間ですべての診療科に対応できるように広く医学について学ぶ。卒業見込み者は2月に医師国家試験を受験し、合格すると医師免許を取得できる。
免許取得後は、臨床研修が義務づけられており、医療機関で2年の初期研修、3~5年の後期研修に臨む。後期研修では、内科、外科といった自分の専門分野を決めて、さらに専門的な研修を受ける。なお、大学医学部では、5年次から始まる臨床実習前に「共用試験」が行われ、その結果が進級の判断材料になっている。