獣医師法により、獣医師でなければ飼育動物を診ることができない。獣医師とは「動物のお医者さん」であるが、診る動物により職種が分かれる。最もポピュラーなのは犬や猫を診る「小動物獣医師」だが、牛、馬、豚、鶏、養殖魚などを診る「産業動物獣医師」と合わせて「臨床獣医師」ともいう。公務員として、食肉や食品の検査、BSE、新型インフルエンザ対策、狂犬病予防、動物保護などにあたる「行政獣医師」もいる。食品会社や製薬会社で、製品の品質管理、実験動物の管理を行う人もいる。
大学の6年制獣医学科を卒業する。学校は少なくて16校。募集人員も少ないため、競争率は高い。合格後、教養科目や基礎獣医学、応用獣医学の科目を学び、臨床実習や卒論を終えて、国家試験を受験する。試験科目は、獣医療、衛生学など。合格率は81.8%(2013年)。
試験合格後、小動物獣医は、動物病院で、2~3年研修を経験し、正規に採用される。産業動物獣医は農業団体、動物園、水族館などに勤務する。行政獣医は、都道府県や政令指定都市の免許資格職の採用試験に合格する。